霧のかかった肌寒い秋の朝、最低気温は4度。
電車にゆらゆら揺られて1時間ちょっと、北ドイツで一番大きな町にある、工業用毛糸のお店に行ってきました。
お店の中に、所せましと、いろんな色の毛糸たち。
ラム、メリノ、シェットランドウール、シルク、カシミア、アンゴラ、モヘア、コットン、化繊、金銀、ラメ、素材もよりどりみどり。
棚の中から自分の好きな糸を取り出して、
自分の好みの太さに巻いてもらえます。これが、その機械。
それぞれの糸に、
- 1本取りだと、50グラムで750メートル
- 2本取りだと、50グラムで375メートル、針は2.0ミリ
- 3本取りだと、50グラムで250メートル、針は2.5ミリ
と、わかりやすく表示してあります。
長さも、値段も、50グラム単位で表示されているので、市販の毛糸一玉と比べやすいです。
何色かの色を組み合わせて、自分のオリジナルの糸を作ってもらうこともできます。この人は、オレンジ、白、水色、茶色のコットン糸を4本取りにしてもらってました。
ウェアを編むには太すぎるんじゃないかと思ったら、かぎ編みで、かばんを作る、とのことです。どんな、かばんになるのかな。出来上がりを見てみたい!
こちらは、グレー×きみどり、ピンク×白の、やわらかそうな糸。何に使うのかな?
楽しすぎて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
それから、輸入物の毛糸をあつかう毛糸屋さんにも行ってきました。
キツネの毛が混ざった毛糸があってびっくり!普通の狐じゃなくて、フクロギツネというオーストラリアのキツネだそう。(リンクはラベリーに登録しないと見られないかもしれません)
このフクロギツネ、何かのきっかけでニュージーランドに連れてこられ、天敵がいないためにあっという間に増え、植物を根こそぎ食べてしまうので、害獣として除去されているそう。どうせ殺してしまうのだから、せめて毛だけは使わせていただこうと、と作ったのがこの毛糸たちみたい。
人間の都合で新しい土地に連れて行かれて、あげくにじゃま者として殺されて、フクロギツネもいい迷惑だわね、と同情しつつ…、ふわふわとやわらかくて、暖かそうな毛糸に頬ずり。
ずっと憧れていた、シェットランドの毛糸にも会えました。質感は、ノルウェーの毛糸、Raumaの Finullgarn や、 pt2 によく似てる。それをもっと細くしたかんじ。細かい模様の編み込みが、できるということね。
きれいな色がたくさんあるので、使ってみたくはあるけれど、お値段はRaumaさんの倍くらい。ウェアものは、ちょっと、ためらうなあ。ゲージも細かいし…。帽子、手袋なら、いいかも。
ドイツの Schoppel-Wolle という会社の毛糸もたくさんありました。この会社は、どうやら、ソックヤーンをメインにしているみたい。
Zauberball(魔法のボール)という名前の、カラフルな段染め毛糸のシリーズ、ボール状に巻いてある姿がなんともおもしろい。
ただの段染めだけではなくって、それをさらにメランジにしたものまで!
後でホームページを見て知ったのだけど、自分で染められるタイプの生成りの毛糸も販売しているみたい。なかには、緩い編み地の状態で売られているいる毛糸もあって、筆を使って絵を描くように染めて、それをほどいて糸にして、靴下を編むんだそう。すごーい!
今ちょうど、メンズのセーターを編むための毛糸を探している途中だったので、この会社のメリノとリネンの混紡の糸を試し編み用に買ってみました。
お店の中に、かせになった糸を巻くためのレトロな糸巻きがあったり、カフェも併設されていたり、ラベリーで人気のデザイナー、Martina Behmさんの本があったり、いろいろ楽しい店でした。