セットインスリーブって一番きれいな袖のカタチだと思う。それをシームレス&トップダウンで編んでみたくて、ああでもない、こうでもないと、あがいている。
一番面白そうだと思ったのは、ラベリーで話題になっている、袖山と身頃を一緒に編んでしまう方法。とても斬新なアイデアなのだけど、でも、この方法で編まれたパターン、どれも袖山が高いのだ。
「気をつけ」の姿勢でいるときはきれいに見えるけど、「ばんざい」をすると、あれれ…。レディースのちょっとエレガントなカーディガンにはいいけど、子供服にはどうかな。
袖山を低く抑えながら編めないかと、試してみて挫折。
やっぱり、ピックアップして編んだ方がうまくいくかなあと、Ann Buddさんの本など参考にしながら編んでみて、次なる問題に気がついた。
わかりやすいように図を描いてみる。
まずは、布で服を作るときの袖のカタチがだいたいこんなかんじ。
この袖を編み物にすると、こんなかんじ。
- 緑の線は水平
- 青の線は1段に1目減る
- 紫の線は2段に1目減る
- 赤の線は1段で3〜5目減る
- 緑の線は水平
この袖を身頃に縫い付けるとする。
縫い合わさる位置は、下の図の左側のようになる。
でも、シームレスで袖を編むと、この位置が、図の右側のようになってしまうのだ。(緑と青の線の長さが違うの、わかるかしら?)
シームレスの場合は、袖を身頃に縫い付けるかわりに、身後のアームホールから、編み目をピックアップして、袖を編んで行くことになる。
で、アームホールの上の直線部分から、均等にプックアップしていくと、
- 緑色の水平部分は本来の長さより長く
- 紫色の部分は、本来の長さより短く
なってしまう。
つまりは、袖山の上の部分は、ちょっと無理にひっぱって伸ばされたようになり、わき下のあたりは、だぶついてしまうのだ。
編み物は、布と違って伸縮性があるし、気にしなければそれでいいのかもしれないけれど、でも、実際に着てみると、袖山はぺたんとしてるのに、わきは余ってるのが、なんとなくわかる。
やや細身の袖だから、よけいに気になるのかも。ゆったりめのシルエットなら、あまり目立たないような気もする。Annさんの本に載っているのは、どれもゆったりめだ。
これ、なんとかならないものかなあ。
考えられる方法は、ピックアップする間隔を、緑の部分と、紫の部分で、変えることかな。
もういちど、方眼紙に製図してみよう。